高速夜行バス

高速夜行バスの価格破壊

高速夜行バスの実態は深刻だ。これだけの安い価格で運行をしている限りはしわ寄せがくるのも無理はない。特に規制緩和の中で中小零細企業が参入をしてきた関係で既存の大手バス会社と零細企業の価格争いが起こっている。零細企業が大手に勝つには価格を下げるしかない。これがそもそもの夜行バスの事故増加の原因の一つであろう。

高速夜行バスを運行する零細企業を監督するべき国土交通省も対応が間に合わないのが実情だ。規制緩和には「事後チェック」の強化が不可欠だが、増える一方の貸し切りバス事業者への国の監査は追いついていないのが現状だ。ある零細バス会社についても、00年の設立以来、最近まで一度も監査は行われなかった。

高速夜行バスと国土交通省

高速夜行バス会社の監督強化のために、国土交通省の担当者は「特に零細業者への監査をどうすれば良いのかという問題意識は持っている」と話す。昨年2月には、新規事業者の参入ラッシュに対応するため、設立許可後、半年をめどに監査に入ることや5年程度監査を受けていない事業者には優先的に入るよう方針を転換。02年7月に108人だった全国の監査人員は、今年1月の増員で166人に増えた。それでも、貸し切りバス事業者に監査に入る平均頻度は、5・3年に1回だけだ。

高速夜行バスが増加して利用者にとっては利便性が上がり、選択肢が増えた。しかし格安か安全かと問われればほぼ100%が安全を選ぶだろう。安全が確保されていない夜行バスに乗る人はいない。もう一度高速夜行バスを運営する企業は襟を正してほしい。